TOP 読者の声 PP選書『日本保守思想のアポリア』を読んで

PP選書『日本保守思想のアポリア』を読んで

PP選書『日本保守思想のアポリア』

在野史家の礫川全次さんの力作、一気に読み通しました。久しぶりに知的にスリリングな気分を味わいました。
戦前の日本において猛威を振るった「國體」という観念が、少数の人間の頭の中で考案され、一般に流布されるようになるまでの過程の分析は、推理小説を読むような面白さでした。
伊藤博文らが異国の地でシュタインから何を感得したか、元ヘーゲル左派の老シュタインがはるか東洋の果てからやってきた若者たちにどういう理想を伝えようとしたのか......。興味は尽きません。
また、著者の言うように、この国には「復古」を語り、「保守」を語る者はいても、真正の保守主義は存在しませんでした。しかし、今こそが出番なのではないでしょうか。
(青木茂雄さん、元高校教員、神奈川県在住)