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劇画 史疑徳川家康事蹟

劇画 史疑徳川家康事蹟 ■東京都・三谷秀一様 44歳(東京都板橋区・オリオン堂書店でご購入) 「劇画 史疑徳川家康事蹟」は疑いもなく感動的な作品として、また、「史疑」として偉大なマンガであると思いますが、幾つかの問題点もある様にみうけられます。たとえば、188頁の桶狭間合戦の解説は、大いなる勘違いと存じます。「信長公記」など3、4級資料に過ぎないとはいえ、桶狭間の山頂に陣を張ったというのは事実なれど、陣地は信長の作戦で、しょっちゅう移動させられ、昼飯中、急襲(「庚申闘記」では田楽窪)され首級をとられたのは、田楽窪なのです。最近、またぞろ「信長公記」を錦の御旗にしたような説が誤って山頂で首をとられたかの様に喧伝されておりますが、これは誤り!また、この時の信長の手勢100人ばかりは二郎三郎ら一党であるとか…。 「四戦記聞」あたりにこれも信長の裏切りとある…。それは兎も角としても、作者は世良田関係者を仏教徒の如く描いているところもやはり誤りと存じます。そうした点少し違いますが全体としては貴重な作品である事になんらかわりはありません。「徳川家の息のかかった史料はどれもダメですね。」(名和氏)乱文乱筆にて失礼。 「史疑 徳川家康事蹟」(村岡素一郎著)を劇画化されたことは大変喜ばしい事であり、今後の啓発に用いられる事を期待するものですが、「史疑徳川家康事蹟」は「三河風土記」からの引用が多く、これは沢田源内の贋作で史料でないと嘆く声もあると聞きます。 ここは是非、今は亡き日本シェル出版刊行の「家康は世良田徳川の出身だった」(旧題「謎の徳川家康」)の覆刻というより劇画化を!さらに「松平記徳川合戦史料集大成」の覆刻(現代語対訳を追加)をお願い致したく存じます。 桶狭間合戦なる部分も「庚申闘記」(堀杏庵)によれば、二郎三郎の加勢である、とかや……。場所も田楽窪! 上記の企画によりバランスもとれるというもの、にて候。「巌神史巻・重代記」の中の「章善院目録」なんぞ覆刻された日には歴史学上天地がひっくり返るでありましょうが、夢の又夢。