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「精神医療」91号 特集=働くことの意義と支援を問う

  • 大塚淳子+古屋龍太責任編集/「精神医療」編集委員会編
  • 価格 1700+税円
  • 判型:B5判、128ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0682-3
  • 初版発行年月 2018年7月10日
  • 発売日 2018年7月12日

内容紹介文

[巻頭言]
真に多様な働き方が実現できる
社会づくりに向けて
大塚淳子(Otsuka Atsuko)

帝京平成大学現代ライフ学部・教授
本誌編集委員


「金になる仕事を取ってこい!」
新規開拓先から受注した仕事を持ち帰った日、印刷係長に怒鳴られた。事業所の説明をし、「障害者に大きな仕事は任せられないけど、これなら」と先方から渡されたのは、カーボン式伝票だった。量が多く良い仕事だと思ったが、カーボン加工は自前で対応できず下請けに出すため、売り上げにつながらないと叱られた。「どういうものが金になるものか勉強しろ! 工場内を歩いて来い!」と言われ、制作係長のもとに向かった。
「同じ条件では速さや正確さで勝てない事は確かにあるかもしれない、そこをどうしたらいいか考えるのが、俺たちの仕事じゃないのか。」「お金になる仕事、付加価値の高い仕事だよ。うちにはコピーライターやイラストレーターもいるし、クリエイティブな仕事を取ってきてくれたら、力を発揮するよ、なあ。」
振り向いた先にいた車いす利用の若者は「そうだよ、僕たちは夢を売る仕事するからね」と、車いすごと一回転しながら言った。係長の「クリエイティブな仕事」、「それにしても、障害者には大した仕事ができないからと言われて、そのまま帰って来たのか」と言われたことと併せて、心に刺さったことを鮮明に覚えている。
これは筆者が最初に勤めた東京都下の印刷事業を主とした身体障害者授産施設(当時)での出来事である。学生時代に継続してボランティアに通い、地域との交流目的のバザーやお祭り、車いすマラソンなど、障害がある方々の余暇や文化的活動、地域社会での活動に参加させていただいた。観光名所へのバス旅行に同行し介助などする中で、障害のある人もない人も一緒に楽しむことを阻害される状況が如何に多いか、さまざまなバリアや差別を実感し、憤りを覚えたり悔し涙を流したこともある。当時の体験は、今でも活動の原点にあり、財産である。就職のご縁をいただき、障害がある人の仕事の現場で、当初は営業職として携わることとなった。すぐさま、障害がある人が働くことの困難さや、自身の未熟さと研鑽の必要性を痛感することとなった。役所や各種福祉施設、学校、病院や中小企業などを、先輩たちから引き継ぎ、新規開拓も命じられていた。
障害者権利条約では合理的配慮が求められている。作業能力と環境の関係を考えやすく対応しやすいのは、身体障害であると思う。障害者個人の能力向上以上に環境改善が重要という視点を早くに学ぶこととなった。その後、生活指導員となったが、混合利用が始まり知的障害や発達障害のある方を迎え入れたときや、職親制度の利用で作業所から精神障害のある方を迎え入れた際に、スタッフと話し合い、個別の状況に応じる業種や働き方を環境として整えることに対し、心を砕いた経験を持つ。一般的に、身体障害と比べると、知的障害や精神障害はコミュニケーションの困難の度合いが高く、一方で身体障害や知的障害と比べると、精神障害は就労困難に関する安定度に波があるといえよう。しかし、我が国は、就労困難度ではなく、手帳等の障害等級でサービスが決められることが多い。障害程度区分から支援区分認定へのマイナーチェンジがあって久しいが、一人一人の希望の生活を叶える為の支援設計を共にしていく仕組みにはなっていない。障害程度区分の見直し検討の際に要望があっただけに残念だ。
中村敏彦氏は「基本的人権と労働の権利の意義を問う」総論的原稿を執筆くださった。

障害者権利条約、憲法に謳われていること

本特集の責任編集は荷が重いと感じつつ、筆者自身が働くことの支援の現場から仕事に就き始めたことを改めて省みる機会に?がっている。また、本特集は、さまざまな観点から時宜を得たものとなったと考える。

2014年1月、我が国は障害者権利条約を批准した。障害者が他の者との平等を基礎に、自立した生活を送るためのインクルーシブ社会を築くことを目指し、締結国として責任を負うこととなった。条約第27条は「労働及び雇用」に関する項目である。(以下仮訳抜粋)
 1 締約国は、障害のある人に対し、他の者との平等を基礎として、労働についてついての権利を認める。この権利には、障害のある人にとって開かれ、インクルーシブで、かつ、アクセシブルな労働市場及び労働環境において、障害のある人が自由に選択し又は引き受けた労働を通じて生計を立てる機会についての権利を含む。
締約国は、特に次のことのための適切な措置(立法措置を含む。)をとることにより、障害のある人(雇用の過程で障害を持つこととなった者を含む。)のために労働についての権利の実現を保障し及び促進する。
権利条約批准から4年が経過し、日本の現状はどのように評価できるだろうか。肯定的な評価を下す政府レポートに対し、日本障害者協議会(JD)などが作成するパラレルレポート案を見ると課題や改善点は山積している。オランダは、すでに国連の権利委員会から、障害者の就労支援策について厳しい勧告を受け、改善策を取り始めているという。
2018年度に入り、複数の景気動向調査では景気回復継続見込みをレポートしている。
しかし、国民の多くは実感を持てない様子との報道も同時にある。2017年10月の日経新聞記事によると、2017年上半期の倒産件数は前年同期比で約0.1%増の4220件、全体の7割強を零細企業が占めるという。また、前年同期を上回ったのはリーマン・ショックが起きた08年度以来9年ぶりとのこと。本業の稼ぐ力が足りない企業は多く「倒産件数は今後、徐々に増えていく可能性がある」(東京商工リサーチ)という。「主な原因は人手不足で、人材を囲い込むために人件費が膨らみ、零細企業の痛手となった」とある。
同じく東京商工リサーチが5月10日に発表した記事によると「2017年(1?12月)の
「障害者就労継続支援事業等」の倒産件数は23件(前年比109.0%増)になり、過去最多だった2016年(11件)の2倍増に達し、最多件数を更新した。また、2017年に倒産以
外の「休廃業・解散」などで事業活動を停止した事業所は39件(同2.6%増)で、倒産件数の1.7倍に達する水準で、「障害者就労継続支援事業等」を取り巻く経営環境の厳しさを浮き彫りにした。」とある。今回の特集契機ともなった岡山県の事業所も含まれる。

我が国の憲法第27条には、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」とある。
同25条の第1項で保障される生存権の実現を考えるとき、安定雇用の確保は不可欠となる。また、生存や生活維持、安定のためだけでなく、働くことによって人が得るものには、人とのつながりや社会的役割、精神的安定、自己実現、夢の実現などがある。
本号テーマについて話し合った編集委員会の直前には、就労継続A型事業所で多数の障害者が解雇される事件が、しかも連続的状況として報道された。その後も同様の事件が相次ぎ、現在も事件の余波は続き、多くの障害者や家族、関係者の暮らしに経済的なことのみではない深刻な影響を及ぼしている。西谷は「安定的雇用と解雇」について以下のように述べている。
「安定的雇用の保障は......重要な人格的利益にかかわっており、憲法27条第1項による労働権の保障には、こうした人格的利益の保障という趣旨も含まれていると解される。解雇は、労働者からそうした生きがいや喜びと言う人格的利益を奪うものである。」
報道にあるが、多数の障害者は、「突然」だったと訴えている。まさに、一方的に多くを奪うこととなった労働契約の解約が解雇である。一連の報道の最初となった岡山県内事業所の実態等につき、その後の動きも含め、多田伸志氏と武内陽子氏に執筆いただいた。
「働き方改革関連法案」が第196回国会に上程され、当初は目玉法案とされていた。法案上程理由に記載されている内容から、一部抜粋する。「労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を推進するため、(中略)
国による労働に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針の策定等の措置を講ずる必要がある。」これだけ読むと、まさに、と頷きたくなる。しかし、法案の具体的内容は、長時間労働の是正、いわゆる「高プロ」に適用する労働時間制度、パートや派遣労働者等と正規労働者との待遇格差是正などに焦点化されている。検討材料の調査データ不備や過労死問題から強い反対がある中で強行採決されそうである。
現在は多様化というよりは、非正規と正規や、総合職や専門職と一般職との二極化が激しい。実際には、若者と中高年者や、障害者と健常者のような二極化もある。求められるのは、すべての労働者にとって疎外されない良質な労働環境と個々に応じた働き方の実現とその検討である。

雇用率や就職者数の増加に誤魔化される働き方、働くことの質、意義

改めて、「働く」ということについて考えてみたい。時代の変遷とともに「働く」イメージは大きく異なる。将来は多くの業種がAIに奪われているのかもしれないなど、最近よく聞く話である。実際に、スマホやメールなどの通信媒体の活用が前提の今の仕事ぶりを、かつては想像できなかった。今後も変化し続けるだろう。
筆者は、「家族など周りの人を楽にする」という意味のやまと言葉が由来とされる「働く」という言葉が好きで、よく学生にも、「次に仕事を受け取る人の事を考えて動こう」と話している。また、勤勉という意味の「勤いそしむ」は、いそいそと仕事をするとか、嬉しくて弾みがつくように主体的な仕事ぶり、をいうらしい。
しかし、政策上頻出される、労働(labor)の語源を辿ると、労苦や拷問などとある。
菊野によると、18世紀においては、「労働者とは『人足』とか『強力』のように「職業として、重い荷物を運んだり、激しい動きをしなければならない、肉体的に骨の折れる仕事をする者」のことであり、「労働とは、人間が生きる必要のために余儀なくしなければならない毎日の働き(日課)のことであった」。jobも同義という。一方で、ワーク(work)は、作品とも訳せるように、芸術家や職人の如く、働くことが自分の存在の証明であることを意味しているという。日本では、高度経済成長期、産業構造の変化を伴い、いわゆる職人が減り、雇用による賃金労働者が中心となっていき、労働力競争が激化した。
また、アンペイドワークの問題として議論される、家事や育児や介護は、その過程で
徐々に対応を迫られる政策課題となり、種々の法制度化やサービスを生み、賃金労働の職域になった。現代社会で大きな需要があるこの領域は、いまだに量・質ともに人材不足が深刻な問題である。看護や介護領域における外国人労働者の受け入れについて、政府資料には、「労働力不足への対応ではなく、二国間の経済活動の連携の強化の観点から、経済連携協定(EPA)に基づき、公的な枠組で特例的に行うものである。」とあるが、外国人労働者の労働環境にも多くの課題があることは知られており、やはり労働「者」であるより労働「力」への期待が高いと考えられてしまう。
高度経済成長を果たすべく、日本では労働政策が主要な社会政策とされた期間が長い。
その間、雇用者数、雇用率、GDPなどさまざまに成長度の指標が示され、それは今も続く傾向であるが、多くは量的に測定され、必ずしも質は問われていない。物質的豊かさは増えたとの指摘もあるだろうが、労働者を生産能力の多寡で競わせる選別社会を強化する過程は、結果として労働環境から疎外される人を多く生んできた。本誌88号の特集「貧困と精神医療」ではこうした状況について取り上げた。
地縁社会や共同体の崩壊が進む中、賃金労働から疎外されていく人への所得保障やその生活支援の充実は社会保障政策に求められる。その充実も伴って、真の経済成長ではないかと個人的には思うが、我が国は、労働の疎外が進む状況下においてすら所得保障の充実を図るべき社会保障の施策は引き下げ方向に動いている。
障害者が働くことは、障害年金や生活保護の制度と併せ考える必要がある。昨今BI(ベーシックインカム)についての議論が増えている。書店にもコーナーができ、フィンランドでは現在BIに関する政策実験中と聞き、関心が高まる。労働により生活維持のための所得を得られない人の所得保障策は、働き方の検討とセットでなければならない。

「労働は商品ではない」(1944:ILOフィラデルフィア宣言)
ILOは悲惨な戦禍への反省として、労働問題の解決が世界の平和につながるとの強い信念のもと、第一次世界大戦後の1919年に設立され、後に国連の専門機関となった。
フィラデルフィアで行われた第26回会総会で、国際労働機関の目的及び加盟国の政策の基調をなすべき原則に関する宣言が採択された。「労働は商品ではない」は冒頭の一文である。
また、後段には、「永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立できるという国際労働機関憲章の宣言の真実性が経験上充分に証明されていると信じて、総会は、次のことを確認する。」とあり、幾つかの項目が並ぶ。3項目のみ以下に抜粋する。
(a) すべての人間は、人種、信条又は性にかかわりなく、自由及び尊厳並びに経済的保障及び機会均等の条件において、物質的福祉及び精神的発展を追求する権利をもつ。
(b) このことを可能ならしめる状態の実現は、国家の及び国際の政策の中心目的でなければならない。
(c) 国家の及び国際の政策及び措置はすべて、特に経済的及び財政的性質をもつものは、この見地から判断することとし、且つ、この根本目的の達成を促進するものであり且つ妨げないものであると認められる限りにおいてのみ是認することとしなければならない。

ディーセント・ワーク(Decent Work)を目指して

ILOは1999年の第87回総会で「ディーセント・ワークとは、権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事を意味します。それはまた、全ての人が収入を得るのに十分な仕事があることです。」と事務局長が報告をして、ディーセント・ワークをILOの活動の主目標と位置づけた。日本では、「働きがいのある人間らしい仕事」と訳され、政府は「日本再生戦略」で実現目標に掲げている。超党派の国会議員による議連は、就労支援や障害者雇用の関係者との勉強会などを持ち、障害者にとってインクルーシブでディーセントな雇用・就労の促進に向けた提言を行っている。久保寺一男氏は、本動向や海外の政策動向に触れて執筆くださった。

障害者の働く権利

果たして、我が国で障害のある人にとって働く権利は保障されているのか、その支援策はどうなっているのか。
2010年、権利条約の批准を急ぐ政府に、条約に照らし遵守されていない現状の問題を訴え、当事者・関係団体が異を唱えて国内法の整備が優先されたことは周知である。
国内法整備において、労働および雇用については、障害者総合支援法における就労支援のメニュー強化や一般就労の促進が盛り込まれた。また、雇用における合理的配慮の検討がなされ、障害者雇用促進法の改正などが実施された。改正障害者雇用促進法において雇用率の母数に対する精神障害者の算定措置は経過措置期間があるものの、いよいよ2018年度から施行となった。数の上では、障害者、特に精神障害者の雇用率は確かに上昇している。
以前から、各地で精神障害者の居場所作りに力を注いできた方々の存在や活動があったが、法外施設であったそれらは、障害者自立支援法によって、法内施設へ移行することとなり、多くが就労継続B型を選び(選ばざるを得ず)、居場所機能は縮小された。
福祉的就労から一般就労への掛け声とともに、就労移行支援事業所への期待が高まった。しかし、日額や人数割りの個別給付方式は、精神障害の特性を配慮した運営には厳しいものとなった。特に矛盾を抱えたのは就労継続A型事業所である。障害者総合支援法の事業メニューとして、利用料を払う福祉サービスの位置づけでありながら、雇用契約を結び最低賃金の支給対象となり、ハローワークによる斡旋先にもなる。障害者総合支援法のサービスであるので実施主体は市町村であり、障害者の雇用について所管でもある都道府県の労働局との間で責任が曖昧である。利用者なのか労働者なのか、福祉政策なのか雇用政策なのか? 位置づけの中途半端さは、多数解雇された人々への、または倒産した事業所運営への、監督責任の不明ぶりによく窺える。人を護るためにあるはずの政策自体に、構造的な問題や矛盾が多くある。森克彦氏や山本美紀子氏には働くことの支援現場からの思いを執筆いただいた。
多く生産するだけが労働ではない。社会との関係を築き、社会的役割を得て地域社会に貢献し、生きがいを得る、人々が協働して社会活動を行い、社会資源を生み育てる。その中で賃金を得ることにつながるものもあるし、そうではない働きもある。
かつて、病院内喫茶店の運営をDCやOTのプログラムとして禁止するとの厚労省か
らの指導を受け、地域の作業所に委託し、営業再開できた時のこと。それまで小規模
作業所で内職を事業として行ってきたメンバーが病院内喫茶で働くこととなり、初日
にジャケットと蝶ネクタイをしてきて、注目を浴びた。「ウエイターのデビュー日だから」と満面の笑みだった。スタッフは「いつもジャージなのに」「いつもと全く違う」と驚いていた。
一人ひとりの存在や能力、希望を尊重した多様な働き方を権利として保障するためには、環境整備やそのための人材が質・量ともに不可欠である。障害特性を理解し、福祉専門職による支援加算があるように、障害のある個々人の力を発揮できる仕事の営業や開発に長けた力を持つ職域や業種開発者への加算があってもよい。地域社会とつながり、多くの社会資源が交わり、障害がある人が多様に働き、その場が地域社会の住民にとって大切な場となることが望まれる。その環境整備にかける財源は利用者への支援のみを対象とする今の個別給付方式では作れない。また、人の配置の仕方も福祉施策としてのみ考えると狭くなり、仕事の開発や環境改善に関する多様なアイデアが生まれにくい。
精神障害に関する労災認定は増え続け、ストレスチェック制度が施行され、日本の労働問題を扱う海外の記事には「karoshi」と表現される。一般の雇用者にメンタルヘルスの問題は増え、休職や退職を経て、精神科医療や障害福祉サービスへアクセスする人の数も増えている。リワーク支援を行うDCや障害福祉事業所は増えてきている。しかし、医療と福祉、労働のそれぞれの現場の?がりが円滑かと言えば、まだ課題も多い。長く医療に囚われていた精神障害者が地域で働くことと、厳しい経済状況の中で健康をすり減らしながら働き病んでいく人々、病まないように予防できている人の境は低くあることが、好循環を生むのではないかと考える。西尾雅明氏には精神科医療の観点から執筆いただいた。

おわりに

障害のある人が働くということを、労働と福祉の一体的な政策として取り組むことで、もっと豊かな知恵や工夫が生まれるのではないだろうか。既に日本には、福祉就労か雇用における障害者支援の場かを問わず、先駆的な取り組みが行われ、また成功し発展している事業所や企業や組合は幾つもある。
人は何故働くのかという問いは、昔から哲学的に重ねられているが、障害や性別等にかかわらず、誰もが働きがいのある人間らしい仕事をできる社会、労働者の尊厳が護られる社会の実現について、本特集を通して考える機会となることを願う。

[引用および参考文献]
*「人権としてのディーセント・ワーク」西谷敏、旬報社、2011.
*「現代社会と労働」菊野一雄、慶應義塾大学出版会、2003.
*「詳説 障害者雇用促進法?新たな平等社会の実現に向けて」永野・長谷川・富永編、弘文堂、2016.
*「精神保健福祉ジャーナル 響きあう街で83号」やどかり出版、2018.1
*「欧州における障碍者の中間的就労分野に関する海外視察?オランダ・ドイツ訪問調査報告書」公益財団
法人日本財団、全Aネット、2018.4
*東京商工リサーチ「データを読む」(20180510) http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180510_07.html
*障害者権利条約 パラレルレポートJD草案/日本障害者協議会(20180525)http://www.nginet.or.jp/jdprrp/

目次

特集
働くことの意義と支援を問う
巻頭言 真に多様な働き方が実現できる社会づくりに向けて………………大塚淳子 002

座談会 働くことの意義と支援を問う
―就労支援の商業化の中で… ……… 藤井克徳+平野方紹+大塚淳子+[司会]古屋龍太 012
障害者就労支援制度におけるA型事業の課題と可能性を考える
…………………………………………………………………………………久保寺一男 041
大量解雇問題から今、思うこと
……………………………………………………………………………多田伸志+武内陽子 049
基本的人権と労働の権利の意義を問う
………………………………………………………………………………………… 中村敏彦 054
障害福祉サービスの就労支援と就労の意義
………………………………………………………………………………………… 森 克彦 063
私たちは「誰のために」「何のための」支援をするのか
………………………………………………………………………………………山本美紀子072
精神障害者の就労支援と精神医療の相互支援について
―実際にどのような連携が可能か… ………………………………………… 西尾雅明 081

コラム+連載+書評
視点―52?生活保護引下げからこの国の姿を見る
……………………………………………………………………………………永瀬恵美子 090
連載?異域の花咲くほとりに―7
人格障害について
…………………………………………………………………………………… 菊池 孝 096
連載?神経症への一視角―4
神経症から不安障害へ
―神経症の軽症うつ病への取り込み(2)…………………………………上野豪志 104
連載?―3
精神現象論の展開(3)
………………………………………………………………………………… 森山公夫 111
コラム? 今、高等学校で求められる支援
………………………………………………………………………………… 富島喜揮 120
書評 『社会的入院から地域へ―精神障害のある人々のピアサポート活動』
加藤真規子著[現代書館刊]…………………………………砂道大介+桑野祐次 124
紹介 『私たちの津久井やまゆり園事件―障害者とともに〈共生社会〉の明日へ』
堀利和編著[社会評論社刊]…………………………………………………高岡 健 128
編集後記………………………………………………………………………古屋龍太 129
次号予告…………………………………………123

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