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観光ビジネス・エコノミクス概論 地方における新たな市場創出に向けて

  • 伊藤昭男
  • 価格 2200円+税円
  • 判型:A5判、192ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0667-0
  • 初版発行年月 2017年8月25日
  • 発売日 2017年8月25日

内容紹介文

観光ビジネス創造・発展のための必要条件は何か?
地方都市はどのようにして1・2次産業からの転換を果たせるのか?
■「超高齢・人口減少社会」「生産年齢人口の急減」が急速に進行する日本で、1・2次産業による経済の安定化を期待することはできない。今後の地方社会の安定のためには産業構造のパラダイム転換が迫られている。こうした状況において観光ビジネスはどのような活路をもたらしうるのか。
■観光ビジネスはこれまでの「モノ」を主体とした経済活動にくらべ、「人」の移動とそれに伴うサービスに主体がある。さらに、観光・交流人口の増加は地方の人口増とは直接結びつかないものの、地方の衰退を食い止め、安定化に結びつくという期待もある。観光ビジネス・経済を通じて新たな人々の交流活動を活発化させることは、ビジネスにとどまらず、生活・文化そして人間能力そのものの涵養に極めて有効な方策といえよう。
■しかしながら、観光ビジネス・経済は、物財を生産する製造業とは異なる性質を有しており、その本質と特徴を十分見極めることができなければ、地方の観光ビジネス・経済をどのようにイノベートし、地方の社会経済の安定にどのように結びつけていくかの戦略を構築することは困難である。
■本書は、地方の観光ビジネス・経済の振興と関連産業の展開について、従来の観光学では考慮に入れられていなかった複数のロジックを取り上げ、その総合的考察から観光イノベーションの創造力を牽引力とした地方観光ビジネス・エコノミクスの新たな戦略を探究し、関連する諸科学を横断する試みである。

1957年生まれ。北海道大学大学院環境科学研究科社会環境学専攻博士課程修了。博士(環境科学)。
現職:北海商科大学商学部教授(兼務:大学院商学研究科教授、商学部長)。(兼務:北海商科大学開発政策研究所研究員、北海学園北東アジア研究交流センター研究員、長崎県立大学東アジア研究所連携研究員)。
所属学会:北海道地域観光学会(初代会長:2013年5月?2015年10月)、応用地域学会(正会員)、Regional Science Association International(正会員)、AIEST(International Association of Experts in Tourism)(正会員)。
現在の専攻:地域観光論、資源・環境政策、ダイナミック都市論。
著書・編著:『現代中国の資源戦略』(単著:北海学園北東アジア研究交流センター、2012年)、『地方の自立的発展と空間構造』(編著:現代史料出版,2008年)、『地方都市の今日的課題と戦略』(編著:泉文堂、2005年)。

目次

まえがき

第1部 理論・戦略編
第1章 人間と観光の関係性に関するロジック
1.1 人間にとって観光とは何か/1.2 観光行動の生起メカニズム
第2章 サービス財と物財の関係性についてのロジック(S-Dロジック)
2.1 S-Dロジックとは何か/2.2 S-Dロジックの思想基盤と基本内容/2.3 S-Dロジックの観点からみた観光ビジネス・経済および観光イノベーション
第3章 観光イノベーションについてのロジック
3.1 地方における観光イノベーションの重要性/3.2 観光イノベーションに関する理論的概念的考え方/3.3 地方における観光イノベーションへの示唆
第4章 資源論の考え方からみた地方観光イノベーションのロジック
4.1 観光資源論の再考と観光イノベーション/4.2 ジンマーマンの資源論/4.3 コンスタンチン&ラッシュの資源マネジメント論/4.4 資源論的考え方からみた地方における観光イノベーション
第5章 ジェイン・ジェイコブズの考え方からみた地方観光ビジネス・経済および地方観光イノベーションのロジック
5.1 地方の経済発展に関するジェイコブズの考え方の重要性/5.2 ジェイコブズの考え方の骨子/5.3 都市の基本的発展メカニズム/5.4 ジェイコブズの考え方と関係アプローチ/5.5 ジェイコブズの考え方からみた地方における観光イノベーションの推進と地方の経済発展への示唆
第6章 観光イノベーションの創造を牽引力とした地方ビジネス・経済の変革戦略
6.1 地方ビジネス・経済の変革を考えるための構造図式/6.2 観光イノベーションの創造を牽引力として地方ビジネス・経済の変革を導くための戦略図式/6.3 戦略の実現による観光イノベーションの創造と、それを牽引力とした地方ビジネス・経済の変革の意義および必要性

第2部 事例編
第7章 観光資源型都市への転換モデルについて――地方都市による観光イノベーション戦略の取り組み事例
7.1 はじめに/7.2 転換モデルに関する参考モデル/7.3 事例都市の概要/7.4 事例都市の転換可能性評価/7.5 おわりに
第8章 鉱物資源枯渇型都市の観光資源型都市への転換に関する諸課題――観光イノベーションによる都市再生戦略の参考事例
8.1 はじめに/8.2 先行研究についての検討/8.3 理論的フレームワークの構築/8.4 事例考察――転換に関する諸課題/8.5 結語と展望
第9章 観光推進組織のイノベーション
9.1 はじめに/9.2 文献レビュー/9.3 方法論/9.4 第1次分析/9.5 第2次分析/9.6 結語
第10章 国際航空旅客流動と観光イノベーション
10.1 はじめに/10.2 関連研究サーベイ/10.3 メソドロジー/10.4 仮説の検証/10.5 分析結果と政策的インプリケーション


引用文献・引用サイト
あとがき
索引

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