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長州の刺客─明治維新の内幕

  • 星 亮一著
  • 価格 2500円+税円
  • 判型:46判、288 ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0632-8
  • 初版発行年月 2015年11月25日
  • 発売日 2015年11月27日

内容紹介文

奥羽越列藩同盟の大義に殉じた東北戊辰戦争の内幕――奸策と狡知を弄して東北諸藩を武力で制圧し、権力を詐取した薩長軍の行状――を完膚なきまでに抉り出す!
 江戸無血開城後に、恭順の意を表明し、謹慎している会津藩松平容保の首を獲ろうと、西?隆盛と木戸孝允の指令を受けて仙台藩に進軍した奥羽鎮撫台下参謀、長州の世良修蔵、薩摩の大山格之助は、さっそく東北諸藩の制圧に乗り出した。薩長軍は上陸するや否や、あらん限りの掠奪、強奪、暴虐を繰り返し、仙台藩士や民衆の怒りをかった。一方、会津攻略のため、東北諸藩に会津総攻撃を強引に仕掛けるが、その先兵の役を担ったのが仙台藩である。
 仙台藩が会津藩と県境で対峙し、戦端が開かれるなか、東北諸藩は、奥羽列藩会議を開き、会津藩松平容保に奥羽鎮撫台総督九条道孝への謝罪嘆願書を提出させる。しかし、その謝罪嘆願書を無視したのが長州の世良修蔵である。無礼な仕置きに怒った仙台藩士は世良誅殺を画策するが、わが身の危険を感じて、同じ下参謀の大山格之助に宛てた世良の密書が仙台藩士瀬上主膳の手にわたり、世良の策謀が暴露されてしまう。にわかに世良誅殺の機運が現実となり、世良の定宿金沢屋を舞台に暗闘が繰り広げられ、世良修蔵は近くの河原で誅殺される。
 この事件を機に、奥羽越列藩同盟と薩長軍との全面戦争に突入するが、東北諸藩が一堂に会して列藩同盟を結成し、東北政権樹立の一大構想を建議して決起するが、薩長軍の近代化された武力と狡知と謀略に列藩同盟は切り崩され、最後に会津鶴ケ城陥落をもって東北戊辰戦争は終結することになる。
原田伊織「明治維新という過ち」(毎日ワンズ)、蜷川新「維新正観」(批評社)など、官製明治維新論から脱却し、新たな視点で幕末・維新の政治力学を解読した好著である。

目次

長州の刺客
明治維新の内幕*目次

はじめに

第一章
仙台湾
奇襲上陸/但木土佐の驚愕/公家の二枚舌/臨検、そして強奪/実権を握る下参謀/薩長軍の傍若無人な振る舞い/洋式調練/江戸に出奔/遣米使節/ポーハタン号/会津藩鶴ヶ城/世良修蔵の罵倒/会津藩討伐の藩論/会津に激震/混乱する近隣諸藩

第二章
仙台藩は、どこに向かうのか
疑心暗鬼/小幕府/伊達一門の傑出した人物/暁天の星群/中士階級/藩主慶邦に上洛の勅命/兵制改革/蟹油事件/泥縄式の出兵/戦争への不安/記念の額/会津藩説得

第三章
仙台藩出陣
会津征討軍の出陣/目前の会津兵/本営は岩沼/凶作の中の御用金徴収/緊張と喧噪の七ヶ宿/伊達安芸隊/小斎佐藤隊の出陣/会津兵に接触/梃子でも動かぬ佐川官兵衛/戦闘勃発/砲弾乱れ飛ぶ前線

第四章
七ヶ宿会談
介添役の米沢藩/真田喜平太と梶原平馬/梶原平馬の予言/梶原平馬の思惑

第五章
河井継之助
江戸/彰義隊の上野戦争/会津・長岡藩の密約/奥羽越諸藩の会談/軍事顧問/桑名藩の決断/越後十一藩/町野久吉、突撃死/新潟会談/会津藩の疑念/会津藩の両面作戦/正義党事件

第六章
関東戊辰戦争
捨て石/古屋佐久左衛門/奇襲攻撃/銃声一発/市街戦/大鳥圭介脱走/報恩寺/乱れ飛ぶ戦乱の情報/日光東照宮/江戸奪還を目指す/黒羽藩の動向/九条総督と面談

第七章
世良修蔵誅殺
謝罪嘆願書/但木土佐の満面の笑み/梶原平馬の涙/世紀の会合/裸の奥羽鎮撫総督九条道孝/白河決戦/謝罪嘆願拒否の波紋/世良修蔵の身に迫る危機/金沢屋/世良修蔵の手紙/瀬上主膳激怒/決行の夜/世良修蔵の処刑/墓碑/木谷のオビー(比丘尼)

第八章
奥羽越列藩同盟
仙台藩の大義/激しい怒号/奥羽越列藩の盟約/大田原藩/前哨戦/仙台、会津藩の布陣 /会津の大軍団/仙台城下の喧噪/藩内の不調和音/薩長軍の巧妙な戦略/棚倉口/花は白河/白河民衆の伝聞

第九章
岩倉具視の策謀
秘密文書露見/姦物岩倉具視/新たな刺客の派遣/奥羽越列藩同盟の瓦解/判断が甘い仙台藩/九条道孝の逃避行/桂太郎の秋田藩懐柔策

第十章
仙台藩大失敗・秋田藩離脱
工作開始/評定奉行自殺/内官と外官の対立/雷風義塾/仙台藩使節暗殺を命令/ためらう決起隊/狂気・仙台藩使節の斬殺/一輪の花/顔面蒼白

第十一章
ものの哀れは秋田口
支離滅裂/楢山佐渡/進撃開始/コヘイタサマの命令/庄内藩連戦連勝/掠奪合戦/「五本骨月印扇」旗の退却

第十二章
列藩同盟の危機
水沢兵の帰国/磐城国/降服会談/三春藩/但木土佐の辞意/敵は相馬藩/決戦駒ヶ嶺峠 /相馬藩から密書/恭順した相馬藩の悲劇

第十三章
無念の降伏
会津鶴ヶ城落城/阿鼻叫喚の地獄絵/亘理で降伏式/白鳥事件/勤王派仙台藩士の残虐な裏切り/秋田藩の戦後/楢山佐渡の死

第十四章
戊辰戦争史の原点
三斗小屋事件/入り乱れる間者/豊岡村の人馬の動員/芸州藩の徴発/小説と史実の違い /民百姓の声/百姓の悪知恵/嫁が来た/イギリス人医師/保科正之との隔壁/白岩一揆 /なぜ戦争に/森谷秀亮/秋田の変心/新潟のお寺/三春と二本松/少年兵平太の目/美化された薩長/私の取材録/前夜祭/平行線/吉田松陰/略奪暴行/和解への遠い道のり

エピローグ
仙台藩幕末群像ルポ
世良修蔵の墓──東北戊辰戦争の火ぶた/仙岳院本堂?輪王寺宮御座所/清浄光院──「額兵隊」星恂太郎墓/日浄寺──悲劇の重臣、坂英力の墓/龍雲院──「鴉組」細谷十太夫の碑/保春院──奥羽越列藩同盟の立役者、玉虫左太夫の墓/飯沼貞吉終焉の地/瑞鳳殿──弔魂碑、鹿児島県人七士の墓

あとがき

参考文献一覧

関連書籍