TOP [雑誌]精神医療 「精神医療」77号 特集=精神科病棟転換型居住系施設の争点:脱施設化か、再施設化か?

「精神医療」77号 特集=精神科病棟転換型居住系施設の争点:脱施設化か、再施設化か?

  • 古屋龍太+岡崎伸郎=責任編集
  • 価格 1700+税円
  • 判型:B5判、144ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0613-7
  • 初版発行年月 2015年1月10日
  • 発売日 2015年1月12日

内容紹介文

2013年の精神保健福祉法改正の過程で、長期在院精神障害者の地域移行支援の選択肢として急浮上してきた「精神科病棟転換型居住系施設」構想は、厚労省による精神科医療全体の再編を目論むマクロレベルの政策動向として看過できない問題である。
病棟転換型居住系施設問題は、単なる障害者施策の選択の問題ではなく、障害者権利条約に照らしても、障害をもった人たちが果たして条約に言う「市民」となり得ているかどうかという根源的な問題を孕んでいる。
「病院で死ぬということと、病院内の敷地にある自分の部屋で死ぬということには大きな違いがある」という言葉の裏側には、精神科病院の看板を架け替え、患者をゲストと呼び換えただけの収容施設や、公共交通機関もない山中の僻地に居住施設が作られ、終末施設化している実態がある。
高齢精神障害者が毎年2万人も亡くなっていくなかで、精神障害者が地域で普通に暮らしていけるようになるために必要なことは、施設から施設へハードを移行させるのではなく、ハードからソフトへ、コミュニティケアのネットワークに移行させることである。病院主導によって医療と福祉を統合していくのか、医療と福祉の機能を明確に分離するべきなのかは、社会保障の政策原理と財源配分にかかわる国家戦略上の問題である。
にわかに争点となった精神科病棟転換型居住系施設を奇貨として、精神障害者の地域移行と社会的「平等」について多面的に考察する。

目次

精神医療77
責任編集=古屋龍太+岡崎伸郎

特集
精神科病棟転換型居住系施設の争点
――脱施設化か、再施設化か?

巻頭言*「障害者権利条約」の光に照らす時代
岡崎伸郎

対談*脱施設化か、再施設化か?
――精神科病棟転換型居住系施設をめぐって
長谷川利夫×古屋龍太

総論*精神科病棟転換型居住系施設構想をめぐる争点
――trans-institutionalismを超えて
古屋龍太

「平等」という考えを根底から覆す病棟転換
長谷川利夫

精神科病棟転換型居住系施設構想は誰のための施策なのか?
大塚淳子

「精神病棟転換型施設」を現実的選択としてしまう欺瞞
伊澤雄一

郡部の福祉事業所から見た〈地域移行の現実〉
――マスコミから変えて行こう!! 精神障害者の居住空間を地域に創ることは可能である!!
木村 潔

病床転換型居住系施設 私の考える問題点
上野秀樹

地域生活の権利を奪う精神科病棟転換型居住系施設
増田一世

障害者差別禁止法制から見た精神科病棟転換型居住系施設の問題点
池原毅和

魚は水に、人は人の間に
山本深雪

当事者として検討会に参加して
澤田優美子

精神科病棟転換型居住系施設をめぐって
柏木一恵

コラム+連載+書評

視点―38*公認心理師法案について
野島一彦

連載*〈互酬性・アニミズム・シャーマニズム・トーテミズム〉―11
「ことばの誕生」
森山公夫

連載*引き抜きにくい釘―44 【最終回】
揮涕恋行在 道途猶恍惚
塚本千秋

連載*雲に梯―17
ぶちょほうだんし
久場政博

コラム*『SEKAI NO OWARI』の素敵な世界!
濱上幸司

書評*『躁と鬱』
森山公夫著[筑摩書房刊]
?田知二

紹介*『治さなくてよい認知症』
上田諭著[日本評論社刊]
浅野弘毅

紹介*『心のケアが必要な思春期・青年期のソーシャルワーク』
西隈亜紀著[中央法規刊]
木村朋子

投稿*『造反有理――精神医療現代史へ』の中島直氏の書評について
岡田靖雄

編集後記
古屋龍太

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