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戦後ニッポン犯罪史[新装増補版] SERIES事件と犯罪を読む

  • 礫川全次著
  • 価格 2500+税円
  • 判型:46判、344ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0607-6
  • 初版発行年月 2014年8月28日
  • 発売日 2014年9月5日

内容紹介文

戦後ニッポンで勃発した事件と犯罪は、それぞれの時代の世相を象徴している。53の事件と犯罪の実相を解読し、転変する世相と社会構造を検証する。さらに、新装増補版のために、補論「オウム真理教事件について考える」を付し、宗教と国家をめぐる犯罪論的視点から事件の重大な意味を問う。
近代の日本では、国家が宗教を弾圧するとき、露骨に、「宗教弾圧」という形をとらない傾向がある。必ずといってよいほど、その活動を「犯罪」として認定し、そのことによって、事実上の「宗教弾圧」をおこなってきた。第一次大本教事件(一九二一)の際は、不敬罪と新聞紙法違反が問われた。第二次大本教事件(一九三五)に際しては、不敬罪と治安維持法違反が問われている。「ひとのみち教団」に対しては、まず一九三六年(昭和一一)に、教祖を強姦容疑で逮捕し、その翌年、教祖および幹部らを治安警察法違反で検挙している。曼陀羅国神不敬事件の本門法華宗に対しては不敬罪が問われ、一九四一年(昭和一六)、幹部ら六名が逮捕された。創価教育学会に対しては不敬罪と治安維持法違反が問われ、一九四三年(昭和一八)、幹部ら二一名が逮捕された。初代会長の牧口常三郎は、一九四四年(昭和一九)に獄中死している
オウム事件についても、「弾圧」のキッカケとなったのは、無差別殺人などの「犯罪」である。一時は、破壊活動防止法の適用も検討された。いずれにしても、露骨な「宗教弾圧」という形はとっていない。教祖の松本智津夫被告ほか幹部には責任能力を認定して死刑判決を下している。
これらのことから言えるのは、現代の日本において、宗教と国家をめぐる問題を考える際には、「犯罪論」という視点が不可欠になるということである。この小論のサブタイトルを、「宗教と国家に関する犯罪論的視点」とした所以である。
新装増補版では、補論を加筆し、宗教と国家をめぐる弾圧事件の実相を明らかにして鋭い論考を加えている。

目次

SERIES:事件と犯罪を読む
戦後ニッポン犯罪史
増補改訂新版●目次

まえがき

凡 例

問1●占領軍の犯罪と報道●1945
問2●小平義雄連続暴行殺人事件●1946
問3●山口判事「餓死」事件●1947
問4●帝銀事件●1948
問5●下山事件●1949
問6●三鷹事件●1949
問7●松川事件●1949
問8●東大医学部助教授毒殺事件●1950
問9●印藤巡査殺害事件●1951
問10●白鳥警部射殺事件●1952
問11●静岡県上野村村八分事件●1952
問12●菅生事件●1952
問13●オランダ兵タクシー強盗事件●1954
問14●八王子屍【正字の蝋】化死体事件●1955
問15●売春防止法の成立●1956
問16●小松川高校女子生徒殺害事件●1958
問17●浅沼稲次郎刺殺事件●1960
問18●今も生きる太政官布告●1961
問19●姫島村リンチ致死事件●1962
問20●吉展ちゃん誘拐殺人事件●1963
問21●狭山事件●1963
問22●ライシャワー駐日大使刺傷事件●1964
問23●農大ワンゲル部「死のシゴキ」事件●1965
問24●千葉大学腸チフス事件●1966
問25●金嬉老事件●1968
問26●三億円事件●1968
問27●「連続射殺魔」永山則夫の逮捕●1969
問28●高校紛争の激化と終息●1969
問29●よど号ハイジャック事件●1970
問30●三島由紀夫割腹事件●1970
問31●青島幸男議員の「男メカケ」発言●1971
問32●浅間山荘事件●1972
問33●「尊属殺重罰」に違憲判決●1973
問34●金大中事件●1973
問35●ルバング島小野田陸軍少尉の投降●1974
問36●朴大統領狙撃事件●1974
問37●津田塾大学女装替玉受験●1975
問38●児玉誉士夫宅「特攻機」突入事件●1976
問39●タヌキ憑き殺人事件●1979
問40●金属バット殺人事件●1980
問41●パリ人肉食事件●1981
問42●グリコ・森永事件●1984
問43●芦屋市幼児誘拐事件●1985
問44●岐阜県岐陽高校体罰死事件●1985
問45●アイドル歌手岡田有希子他殺説●1986
問46●佐賀県強姦致傷事件と犬の臭気選別能力●1987
問47●女子高生コンクリート詰め殺人事件●1989
問48●坂本弁護士一家殺害事件●1989
問49●甲府信用金庫女子職員誘拐殺人事件●1993
問50●愛知県西尾市いじめ自殺事件●1994
問51●阪神大震災と犯罪●1995
問52●地下鉄サリン事件とオウム真理教●1995
問53●神戸少年A事件●1997

補論●オウム真理教事件について考える●宗教と国家に関する犯罪論的視点

新装増補版へのあとがき

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