• 加藤智大著
  • 価格 1700+税円
  • 判型:46判、240ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0605-2
  • 初版発行年月 2014年8月10日
  • 発売日 2014年8月12日

内容紹介文

間違いだらけの「有識者」たちの「有識」を糺す!
(誤)          だから事件を起こす。
(正)事件を起こせば          。
 事件を起こせばどうなるのか、「想像」して下さい。それが事件を未然に防ぐヒントです。

秋葉原無差別殺傷事件から6年が過ぎた現在、あの忌まわしい事件も風化して顧みる人も少ない。
「なぜ、風化するのでしょうか。......しかし、少なくとも私の中では事件が風化することはありません。事件はつい昨日のことのようでもあります。当事者意識の欠落が、事件の再発防止を足止めしています。」(「あとがき」より)

事件の再発防止に真摯に取り組むためには、自殺から殺人にいたるまでの複雑な心的現象を解析しなければならない。
「秋葉原無差別殺傷事件や自殺企図、......殺人から自殺まで、人の命が失われる事件が起きるメカニズムは全て共通です。というよりそれらを含めたあらゆる行動のメカニズムが一緒なのです。それを理解できてはじめて正しい事件対策ができます。」(「本文」より)

現在、最高裁に上告中で、結審すれば死刑執行が待っている。
「人生は有限です。やりたいことを全てこなせる人間など、どこにも存在しません。......「締切」は延ばせるものではなく、その時点での形が完成品になります。私の人生は......それなりの形になったと思っています。......私の人生、つまり死んでいく過程にそこそこ満足しています。だから静かに死を受け入れる準備ができているのでしょう。」(「本文」より)

『解』『解+』『東拘永夜抄』に次ぐ第4弾!

目次

殺人予防  目次

序章

第一部 間違いだらけの「有識者」たち

1章
情報選択と信用性判断の間違い

報道を無条件に信用している間違い
捜査機関が発表する情報を鵜呑みにする間違い
目撃者の話として伝えられるものを鵜呑みにする間違い
関係者の話として伝えられるものを鵜呑みにする間違い
   人は変わることを考慮しない間違い
選ばれた情報をそれが全てだと思い込む間違い
念のための補足

2章
掲示板の理解の間違い

掲示板を日記帳だと考える間違い
書込みを文字通りにしか読まない間違い
酔っ払いの戯言を真に受ける間違い
「キャラ」を考慮しない間違い
ネタ元を意識しない間違い
性別を意識する間違い
成りすましに騙されている間違い
   五月二九日/五月三〇日
掲示板上でのトラブルを無視する間違い
主観を客観にすり替える間違い

3章
「加藤家」の理解の間違い

親の影響を無視する間違い
   親の影響を無視しないのはいいのだけれど
母親の言葉を信用する間違い
母親を被害者扱いする間違い
   父親が帰ってこない?/父親が酒を飲んで暴れる?
虐待を正当化する間違い

4章
ハケンの理解の間違い

非正規雇用と派遣を混同する間違い
派遣労働への偏見を持つ間違い
   雇用の不安?/差別?/孤立?/無権利?/天引き?
非正規雇用への偏見を持つ間違い

5章
独自の概念を創作する間違い

「ケータイ依存」「ネット依存」という間違い
フロイトを信仰している間違い
無差別殺傷事件を自殺とみなす間違い
事件を「劇場型犯罪」だとする間違い
私を引きこもりと決めつける間違い
「器物破壊化殺人」という概念の間違い
「動機なき殺人」と考える間違い
ゲームのせいにする間違い
   私とゲームとナイフ/ゲームとナイフと事件/私とゲームと事件/ゲームと事件
テレビのせいにする間違い
「女性」にこだわる間違い

6章
間違いに間違いを重ねる間違い

根本的な間違い
長期間にわたる欲求不満があったとする間違い
    家出した?/一〇秒ルール?/バカにされた?/親への反抗?/将来は医者に?/負けっ放しの人生?/おねえちゃんCD?
他責的傾向があるとする間違い
破壊的な喪失があったとする間違い
外部のきっかけがあったとする間違い
社会的、心理的に孤立していたとする間違い
大量破壊のための武器の入手に関する間違い
憎悪し、復讐したとする間違い
「拡大自殺」という概念を持ち出す間違い
何もかもが間違い

7章
「有識者」が掲げる対策も大間違い

「防犯」では事件は防げない
「厳罰化」では事件は防げない
   刑法三九条が問題?/「正当な暴力」の許容が問題
「格差是正」では事件は防げない
   経済格差はなくしてはいけない/社会のせいにするな!/派遣労働の問題?
「教育」では事件は防げない
   「平凡」の大切さを教育?/生命の大切さを教育?/道徳教育?/高校教育?/人間関係を教育?
「統合」では事件は防げない

第二部 事件を正しく理解するために

8章
行動の真理

行動の正しい説明法
正しい説明法の必要性
   因果関係から考える必要性/「動機なき殺人」など、あり得ない
行動は手段でしかない
〈やる理由〉の効力は人によって変わる

9章
自重の心裏

「普通は事件は起こさない」のではない
「普通は事件は思いとどまる」のである
   〈やらない理由〉についての確認
「心」と行動は関係がない
   感情を否定しているわけではない/それでもあえて「心」と行動を関連づけるなら/「精神の障害」と行動の関係/うつ病詐欺
〈やらない理由〉の効力も人によって変わる
念のための補足

10章
必要な審理

正しい入口から入ること
「掘り下げ型」の思考をすること
いわゆる動機は何なの?
   秋葉原無差別殺傷事件の場合
どうしてもやらなきゃいけないの?
   秋葉原無差別殺傷事件の場合
だからといってなにも事件を起こさなくてもいいのに…
   秋葉原無差別殺傷事件の場合
それにしたって思いとどまるでしょ?
   秋葉原無差別殺傷事件の場合
どこまで掘り下げるべきなのか
事件対策、しませんか?

11章
本当の心理

我慢の心理
   配当不良に対して/安眠妨害に対して/騒音公害に対して
不満の心理
   母親の養育を受けた自分が不満/母親の犯罪行為が隠蔽されていることが不満
死刑確定待ちの心理
   自殺する気はない/補足:自殺は予測不可能な件について/さらに補足:自殺予防のチャンスを逃している件について
死刑執行待ちの心理
   それでもやっぱり自殺する気はない/締切のある人生

あとがき

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