TOP 花園大学人権論集 弱者に寄り添う[花園大学人権論集]21

弱者に寄り添う[花園大学人権論集]21

  • 花園大学人権教育研究センター編
  • 価格 1800+税円
  • 判型:46判、200ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0594-9
  • 初版発行年月 2014年3月20日
  • 発売日 2014年3月22日

内容紹介文

東日本大震災・福島原発事故から三年が過ぎた。
災害直後からしばらくは原発事故や被災者をはじめ、メディアは弱者に対する眼差しを注いでいたが、現在では早くも3.11以前と変わらないほど、「風化」がおびただしい状況となってきている。
なぜか? 日本人の精神史から考えれば、かつては、相互扶助の精神が被災者への支援を継続してきたが、相互扶助を支えるべき地域も家族間関係もすでに崩壊しているとしか思えない状況になっているからにほかならない。
大震災や原発事故の直接的な災害や事故だけではない。これからの数十年間、日本は超高齢化社会となり、心身の障害や社会的な孤立などと共に、生きてゆくために援助や介護を必要とする人びとの割合は確実に増えてゆく。
現在でも、老老介護から独居老人に、そして最期は孤独死していく高齢者が少なからずいるが、公的な行政に頼れるほど、今の日本にその余裕はない。
さらに経済的な要因も加わり、格差社会と少子高齢化社会の負のスパイラルを止める当てもない。
誰もがこうした状況に陥り得る可能性があるこれからの社会において、実際にこうした状況に置かれた人たちとの関わりをもつ際に、一人ひとりがどのような自覚を持ち、行動するべきなのか。世代間格差や非正規雇用など、若い人たちへの処遇の貧困がもたらす「裂化」社会のなかで、医療や労働問題の当事者・支援者が社会に関わるための指針を分かりやすく具体的に明らかにする。

目次

【目次】はしがき……中尾良信(人権教育研究センター所長)

介護労働と「利用者のためのやりがいのある仕事」……川久保尭弘 
POSSEとは/ブラック企業の実態/介護労働の課題/トラブルへの対処法/「よい介護」のために何ができるのか/質疑応答

低線量放射能汚染にさらされる福島県中通りにあって……阿部泰宏
原発事故直後から劇場再開まで/八〇万人をさいなむ低線量被曝のストレス/映画も情報の対象だった/たいして恐ろしくないゆえの厄介さ/不毛な我慢くらべをしているような……/東京で思ったこと/自分との戦いになっていく/映画が示唆すること/原発事故は起こしたらおしまい/福島県民は訊いてほしいと思っている

悲嘆者のかたわらに?グリーフサポート……西岡秀爾
はじめに/悲嘆・喪失の諸相/グリーフサポートとは/グリーフサポートにおける十一の心得/小結/質疑応答

精神障害者の人権と偏見の狭間で……丹治光浩
精神障害とは/精神障害者を取り巻く歴史/精神障害者のイメージ/メディア報道の問題/刑法第三九条について/偏見解消への取り組み/臨床心理学的発想/質疑応答

災害時における高齢者と障害者の生命をどのように守るのか……根本治子
はじめに/災害時の医療需要の経時的変遷/過去に起きた五つの大規模地震から見えてくる特徴/災害時の精神状態とメンタルケア/災害弱者/「東日本大震災」の避難場所や仮設住宅での死亡報告/原子力災害/医療・介護サービスの問題/質疑応答

十五年戦争下の福祉政策……藤井渉
はじめに/今日の福祉状況との接点/「人的資源論」/国民健康保険法の成立/年金保険制度の成立/戦時下の障害者対策/戦後の福祉改革/おわりに/質疑応答

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