TOP サイコ・クリティーク 患者学入門[サイコ・クリティーク22]

患者学入門[サイコ・クリティーク22]

  • 笹目秀光著
  • 価格 1400+税円
  • 判型:46判、176ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0593-2
  • 初版発行年月 2014年3月10日
  • 発売日 2014年3月12日

内容紹介文

こころ病む人たちが街や地域で生きるには......

患者同士の人間関係は、午後八時に寝る前の薬を飲んでから始まる。病棟では、あっちでもこっちでもカップラーメンの臭いがする。入院したばかりの患者にカップラーメンを作ってあげるだけで、彼は幸せな眠りにつける。ぼくは二四年前に、カップラーメンのお礼だと言ってもらったタオルを、今でも大事に使っている。タオルで手を拭くたびに、あの青年の笑顔が目に浮かぶ。[カップラーメンの香り]より。

入院していると、世間一般と同じようにさまざまなことが身辺で起きる。...デマ、でっちあげ、暴力、挑発、風評など、個々の精神障害者にとって不利益なことがたくさんある。
...金銭トラブルを抱えてしまったとき...、男女間のトラブルに巻き込まれてしまったとき...、病院スタッフや患者仲間とうまく付き合えないとき...、消耗品の貸し借りで多少損をしてもあきらめられるかどうか、といったささいなことが沢山ある。こんなささいなことが原因で...事件が発生することもあるのだ。 入院生活を通して改めて考えてみると、精神科病院に入院しても、本人に病気を治す気持ちがあるのかどうか、がもっとも大切なことだと思う。[病院のなかの不条理]より。

ぼくは、立川に住んで今年(二〇一三年)で二六年になる。いろんなことがあったが、ぼくはこの街が好きだ。立川の街の人たちは、ぼくが詩集を売るのを邪魔するどころか、手伝ってくれるのだからありがたい。精神障害者にとって立川は住みやすい街だと思う。[あとがき]より。

[著者略歴]
1957年、茨城県鉾田市に生まれる。上京後、杉並区立和田中学校、都立武蔵丘高校を卒業し、国際商科大学に入学する。
高校2年生のとき過労でノイローゼになり、精神科クリニックを受診するが、大学2年生のときに再発し、精神科病院に入院する。その後は、入退院を繰り返し、今でも立川市の医療機関に通院している。
仕事の傍ら、詩作に励み、千葉県佐倉市在住の詩人遠山信男先生に師事する。
著書として、詩集『少年詩』(叙情文芸刊行会、1988年)、詩集『ぼくの絵日記アルバム』(ホットジョブ)、ショートエッセイ『立川あけぼの町ほのぼの横町』(けやき書房、2002年)、詩集『愛ちゃんと猫の黒三郎』(草原舎、2008年)、ショートエッセイ『続・立川あけぼの町ほのぼの横町』(草原舎、2008年)

目次

サイコ・クリティーク22
患者学入門

推薦の言葉 にしの木クリニック 岩田柳一 3

はじめに 9

第1章
ぼくが生まれた故郷と半生… 17
ぼくの生い立ち 18/父と母、祖父母の思い出 20/杉並区立和田中学への編入 22/武蔵丘高校から国際商科大学へ 25/大学には入ったけれど 26/父母の離婚、継父との確執 29

第2章
貧乏日記――愛と哀しみの暮らしのなかで 31
愛ちゃんとの出会いと別れ 32/愛ちゃんと猫の黒三郎 35/愛ちゃんとのつましい生活 37/障害年金をあてにして 40/黒三郎の死 43/想い出の三田荘 44/愛ちゃんの死 45/愛ちゃんとの想い出――愛ちゃんが付けたぼくの名前 47/愛ちゃんに振り回された日々 48

第3章
ぼくのまわりの個性豊かな面々 57
キジトラの宮ちゃん 58/キジトラの宮ちゃんの百万円 59/キジトラの宮ちゃんの夜の顔 60/キジトラの宮ちゃんのサクセス・ストーリー 61/古本屋のおかしな店長 62/一声一〇個のマイルドセブン 63/きめつけの松ちゃん 63/USのあこぎな仕業 64/O君と京子ちゃん 65/沢田屋のサブちゃん 66/Sおばさん 67/YKの嫌みな電話 67/競輪新聞売りのSAさん 68/Nさんとアルコール依存症の奥さん 69/立川・栄町四丁目ののりピー 70/パチプロのひろみ 71/建具屋のTさん 72/Hの最期 73/露天商のチビタ 74/チビタの入院 75/森住三兄弟 76/プッツンのしんちゃん 76/競輪場のキップ切りのおばさん 78

第4章
在りし日の立川駅前・曙町界隈 79
双葉食堂――美味くて安くて安心の店 80/釜戸屋の牛丼ちゃん 81/立川市役所の大変な仕事 82/食堂一番――頑固兄弟のさっぱり中華料理 84/美味い萬盛のしょうゆラーメンと焼豚 85/立川駅前Y字路街の繁盛店 85/ソフトボール・チーム呑(ドン)と市会議員選挙の裏話 87/正直者と頑固者が支える商店街 89/おけら橋を通る負け組と勝ち組 90/予想屋の岡ちゃん 91/谷文具店のマル子ちゃん 92/サルビア薬局のオーロラ四人娘 94/秋山たばこ店の一本売りの葉巻 96/老舗つるや呉服店の一本三〇〇円の傘 97/まねき猫のある不思議なカメラ屋さん 98/眠れない夜、気軽に行けるモスバーガー 98/立川駅前教会のT先生 99/立川という街 100

第5章
街で出会ったいろんな人たち 101
消息を絶った友ちゃん 102/シモちゃんの日曜日 103/のりピーとヒロミ 103/本を返さないのはサギ師ですか 105/昔話の今昔 106/おでん屋のおじさんと娘さん 108/SKさんとANさんの最期 110/Yは死んだ――享年三七歳 110/国立駅前、桜の木の下で――酔っぱらった絵描きのおじさん 111/古道具屋を始めてみたが 113/褒めちぎって、そして買わない面々 114/福音センターのCD 115/ハローワークで 116/知らない白人娘 117/情けない親子 118/貸したお金でおごってもらう 119/献金の領収書 120/「しんぶん赤旗」の冷たい対応 121/インチキ新人文学賞 122/教会のシスター 123

第6章
精神科病院の入院生活 125
はじめて精神科クリニックへ 126/はじめて精神科病院へ 127/カップラーメンの香り 130/花札とタバコ 131/病院ではタバコは貨幣です 132/経済入院ができたころ 132/精神障害者とホームレス 134/精神科医の先生のわからない判断 135/精神病院という塀の内側 136/病院のなかの不条理 141/病院からクリニックの通院へ 146/Nクリニックへ 147/あるクリニックの天才医師 148

第7章
精神障害者が街で生きるには 151
障害基礎年金の受給の仕方いろいろ 152/生活保護の受給の仕方いろいろ 154/アパートの借り方いろいろ 156/いのちの電話相談 158/ヘルパーさん 158/プラス思考の信用 159

第8章
家族の想い出 161
父と母、そして継父 162/いとこのお姉さんへのお小遣い 163/三兄弟の因果な関係 164/同窓会 168/望郷の念絶ちがたく 169

あとがき 171

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