TOP 歴史のなかの闇を探る 幕末日本のクーデター ──錦旗に刻印された官軍の野望

幕末日本のクーデター ──錦旗に刻印された官軍の野望

  • 星 亮一著
  • 価格 1890円
  • 、272ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0588-8
  • 初版発行年月 2013年11月5日
  • 発売日 2013年11月10日

内容紹介文

 勤王の志士を鼓舞した尊皇攘夷は、孝明天皇の突然死を機に開国・欧化・倒幕に転換し、密謀で結託した薩長軍はクーデターで幕府、会津藩を京都から追放し、岩倉具視らによって捏造された錦旗が官軍の証として猛威を振るい、徳川幕府を徹底的に瓦解させ、明治藩閥政権の樹立をみることになる。
 大いなる権力を掌握した藩閥政府は、欧米の帝国主義列強にならって明治欽定憲法を制定し、国家財政と法体系の整備、徴兵制による軍隊の創設をとおして、アジア侵略を射程に入れた近代国家として出発した。
 しかし、戦争によって優秀な人材を失った藩閥政府は、無謀な日米開戦とその後の戦争政策の遂行に象徴されように、敗戦に至る昭和史の悲劇は、天皇制と藩閥・軍閥の暗闘の延長にあったと言える。
 孝明天皇の暗殺説から病死説まで流布された暗闘の裏面史を諸説、諸資料を網羅して明らかにする。

目次

幕末日本のクーデター
錦旗に刻印された官軍の野望*目次

はじめに

第一章
異国アメリカとのはじめの出会い
アメリカの捕鯨業――鯨油を求めて/太平洋横断航路の開拓/ジョン万次郎――波乱な半生/捕鯨船・ホイットフィールド船長/ニューベッドフォード港での生活/アメリカの人種的偏見/欧米の植民地支配とアジア/琉球・首里から鹿児島、そして高知へ

第二章
黒船来航
老中阿部正弘――能吏の失政/ペリーの『日本遠征記』/ペリー提督の経歴/優美な日本の和船/ペリー艦隊の長崎回航拒否/徳川斉昭の水戸藩の対応/苦心惨憺した溶鉱炉の築造/徳川斉昭の「たぶらかせ」対応/来航一週間の出来事/ペリー艦隊の再来日/村役人の記録/自由民権運動に繋がる草莽の民/ペリーの日本人観

第三章
桜田門外の変
春の大雪/短銃一発/大老井伊直弼の首級/徳川四天王井伊家当主の無残な姿/戊午の密勅/彦根藩の命運/見舞客殺到/石田虎蔵の記録/斉昭暗殺説

第四章
松陰と晋作
草莽が日本を変える/不審な侍――吉田松陰と金子重之輔/斬首を覚悟で旗艦に搭乗/乱民/護送日記/松下村塾/四人の門下生/奇才高杉晋作/航海遠略の策/上海への旅/上海掩留日録/アヘン戦争/アヘン戦争の敗北――植民地に転落/イギリス公使館焼き打ち/奇兵隊

第五章
仙台藩士の訪米日録
遣米使節/仙台藩を脱藩/ポーハタン号/暴風雨/危うく海の藻屑/水夫たちへの報奨金/サンフランシスコ着/蒸気車に仰天する/大君暗殺のニュース/共和政治/数々の疑問

第六章
海舟と諭吉
咸臨丸のアメリカ派遣/総計九十六人/勝海舟の素顔/父・小吉は生来の暴れ者/酷い貧乏/長崎海軍伝習所で学ぶ/海舟の天敵福沢諭吉/アメリカ使節団への随行/遊女屋の茶碗/病人続出/金貨が散乱/ブルック大尉の日本人像/大航海を初めて試みた日本人/サンフランシスコの匂い/アメリカでの評判/大老暗殺に仰天/横井小楠との出会い

第七章
会津藩登場
天を仰いで歎息/家訓十五条/会津藩の藩祖は神/西郷頼母の悲劇/会津はどこに/金戒光明寺/足利尊氏/目には目を/大地主の嫡男/虎尾会の結成/高下駄/芹沢 鴨/郷士とは/芹沢鴨の死

第八章
天皇と幕府
公武一和/尊皇攘夷の実態/孝明天皇の心労/天皇の真意

第九章
攘夷戦争
敵艦に突入/逃げる上級武士/孝明天皇の苦悶――尊攘思想と攘夷実行の狭間で/薩英戦争/五代才助の手腕/会津藩の儒教教育/国学者の限界

第十章
長州藩追放
島津久光/七卿の都落ち/容保感泣/天皇は政争の具/池田屋事件/惨憺たる修羅場/京都総攻撃/大坂の市民/島津久光上洛/二度の流罪/薩摩の「地ゴロ」――島津久光/朝廷を奉護する西郷隆盛/暗雲立ち込める東山の送り火/そっけない西郷/来島又兵衛激怒する/戦闘開始/長州は賊軍/御所に発砲する長州勢/薩摩の援軍――久坂玄瑞の最期/十津川郷士の御所潜入/真木和泉の最期/長州藩の死者は五百人

第十一章
幕長戦争
将軍を激励/老中小笠原長行の遁走/藩主松平武聡の逃亡/領民の士気を鼓舞する「告発書」/大村益次郎/戦術の講義/大村益次郎の戦争/海軍総督高杉晋作/人夫と民衆の宣撫策/動揺する会津藩と岩倉具視/御所という伏魔殿/慶喜と容保――価値観の相違/自信喪失/岩倉具視の暗躍/孝明帝の逆鱗

第十二章
孝明天皇崩御
政事の中心へ/突然の高熱/毒殺説/病死説/灰色説/断定困難説/闇の中/疑問説/黒に近い灰色/放埓三昧の倒幕派/小御所の会議/不可解な将軍慶喜/鳥羽伏見の戦い

第十三章
天皇の世紀
大佛次郎/奥羽越対西日本/大元帥/明治の精神/外交努力の過小評価/民宰相原敬の登場/アナクロニズム/斬殺/関中対盛中/天皇陛下万歳/二・二六事件/過激志士の攘夷思想の限界/御前会議/天皇の詰問/統帥権/気勢のあがらない開戦決意表明

あとがき

参考文献

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