TOP メンタルヘルス・ライブラリー 父親殺害──フロイトと原罪の系譜

父親殺害──フロイトと原罪の系譜

  • 柴田明彦著
  • 価格 1995円
  • 判型:A5判、208ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0569-7
  • 初版発行年月 2012年11月10日
  • 発売日 2012年11月12日

内容紹介文

近代とは何であったのか──<知>と原罪の相剋


フロイトのエディプス・コンプレックス論(オイデプス王の悲劇――父親と知らずに殺害し、母親と知らずに結婚してしまったことに気付いて両目を抉り抜いたというギリシャ悲劇から導き出された精神分析理論の核心)を基に、人類史の初源における唯一、全能の神の殺害と復活が織りなす壮大なドラマツルギーをとおして、ヨーロッパ近代における資本主義の勃興と精神病(統合失調症)の発症─精神医学の誕生という基層文化の劇的転換の実相を跡付け、錯綜し重層化する現代世界史の構造と社会の変容を省察する。

目次

序章●フロイトが終生追い求めたもの

第1章●父親殺害の物語

1●原父殺害の物語

1●トーテミズムとエディプス・コンプレックス/2●原父殺害とトーテミズム

2●継父殺害の物語

1●旧約聖書における神と民との関係/2●モーセとその神の殺害/3●イスラエル民族の盛衰/4●モーセの神の復活/5●全能の神の誕生/6●全能の神からの迫害

3●息子と母親の宗教

1●イエスの改革の意味するもの/2●パウロによるキリスト教の創造/3●父親殺害に対する贖罪/4●息子と母親の宗教

第2章●近代化の歩みと「神の殺害」

1●キリスト教における、全能の神の復活

1●宗教改革に至る社会背景/2●予定説/3●カトリックに対する宗教改革の影響/4●予定説と自然科学の発達

2●全能の神の殺害

1●啓蒙思想の台頭/2●反復された原父の殺害/3●哲学と科学における神の消失/4●近代社会の成立と神の死

第3章●科学神話の盛衰

1●科学神話とは何か

1●自然科学の進展/2●科学神話の誕生

2●進化論的世界観という神話

1●進化論的世界観/2●自然選択説の矛盾/3●進化論は科学なのか

3●唯物論的宇宙観という神話

1●宇宙からの神の排除/2●唯物論的宇宙観の背景/3●科学神話の衰退

第4章●近代化と精神病の誕生

1●ヨーロッパ社会における狂気の変遷

1●古代、中世における狂気の位置づけ/2●魔女狩り/3●隔離・収容政策と啓蒙思想/4●自然科学の発達と精神病の位置づけ

2●近代化がもたらした狂気の変容

1●一神教的世界観と社会の不安定要因/2●近代化が個人の精神世界に与えた影響

3●近代化と精神分裂病(統合失調症)の発現

1●失われた神話を蘇らせるための妄想形成/2●病的体験に潜む神の幻影/3●神の掟と全能の力/4●幻聴とさせられ体験の起源

文献・参考文献

あとがき

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