TOP 現代社会の深層を探る 別冊Niche[ニッチ]2

別冊Niche[ニッチ]2

  • Niche編集室
  • 価格 1050円
  • 判型:A5判、96ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0525-3
  • ISBN 4-8265-0525-6
  • 初版発行年月 2010年06月
  • 発売日 2010年06月15日
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内容紹介文

 この間、世界を覆った大きな流れは、二〇〇八年一〇月にアメリカのリーマン・ブラザーズの破綻に象徴される世界金融恐慌危機の勃発によって世界経済や政治状況が大きく変わりました。アメリカではその前に、ブッシュ政権からグリーン・ニューディールを掲げて、さらに医療保健制度の改革に情熱を燃やすオバマ政権に交代しましたが、ブッシュ政権時代に世界を席巻したネオコンによるグローバリセーションによってアメリカンスタンダードがあたかも唯一の価値基準であるかのように喧伝され、また実際にアフガニスタンやイラクには軍事力をもって押し付けました。こうした軍事力を背景にして引き裂かれた世界は、政権交代によって何か明るい兆しが見えたかのように思われましたが、事態はいっこうに改善される兆しもないまま、今日に至っています。
 地球環境問題の深刻さもさることながら、アメリカをはじめ、EU諸国、東欧にいたるまで、世界金融危機の後遺症で各国の財政赤字の累積からデフォルトへの危機を深めたアイルランド、ギリシャ、オマーン、ポーランドなどIMF体制を震撼させるほど、世界経済は危機的状況です。基軸通貨のドルは、もはや基軸通貨たり得ないほど弱体化して、中国、インド、ロシア、日本、EU諸国によってかろうじて支えられているほどです。G8の先進国は中国、インドをはじめとするアジアの中進諸国の需要によって支えられているといってもいいほどです。
 翻って、日本の政治状況も自公連立政権から鳩山首相の民主党連立政権に移行しましたが、鳩山民主党連立政権もご多分にもれず、財政問題から日米関係、特に沖縄の米軍基地、日米安保条約の密約、非核三原則問題など、あるいは日中関係も含めて多難な船出をしました。鳩山民主党連立政権の成立から今後の行方、さらに、トータルとしての日本の選択に問題の焦点を当てて、吉本隆明さんへの津森和治さんのインタビューをはじめ、栗本慎一郎氏vs三上治氏の対談、埼玉学園大学の西山賢一氏の論考、宮城学院女子大学の田中史郎氏の論考、投資アドバイザーの末永和行氏の論考を揃えてこれらの難題に取り組んでみました。乞うご期待!

目次

西山賢一 政治過程の経営はなぜ失敗しているか

吉本隆明氏へのインタビュー 資本主義の新たな段階と政権交代以後の日本の選択
吉本隆明(聞き手:津森和治)
「超資本主義」という時代――「贈与価値論」について/ファシズムとウルトラナショナリズムの違い/反グローバリズムと毛沢東戦略の有効性/世界金融恐慌と第四期段階の資本主義/アメリカ金融資本の破綻と日本の選択――民営化の本質論/共同幻想としての国家論の地平――逆立する関係をめぐって/政権交代と鳩山民主党政権の行方/理念としての自由・平等・相互扶助/左右に片寄らない民主党への期待/思想としての政治/吉本氏へのインタビューをおえて(津森和治)

田中史郎 「いざなみ景気」とその崩壊――第14循環を考える
1. 昨今の経済状況/2. これまでの短期循環/3. 第14循環/4. 結びにかえて

〈対談〉栗本慎一郎vs三上治 アメリカ金融資本の破綻と鳩山民主党政権の行方――政治とマネーと大衆意識の地平
アメリカ発世界金融危機の後遺症――小沢一郎への強制捜査は民主党政権潰しか?/アメリカ国内の反オバマ・ユダヤ勢力の暗躍/9・11と同じ構造の再現――米軍基地問題と鳩山・小沢政権潰しは連動している/マネー疑惑に踊らされるマスメディア/脱官僚の政策的意味と権力構造――日米安保条約と密約問題の行方/自民党の危機――官僚主導の政党政治の終焉/政党政治と大衆意識の断絶構造――右往左往する大衆に日米密約は必要悪か?/オバマ政権と沖縄の米軍基地問題――アメリカ軍の傘下でアジアの安定がある/中国はこれからどうなって行くのか――一党独裁の政治権力は革命なしには変えられない/マルクス主義国家論における権力制限装置の不在――マルクス主義国家論の問題性/アメリカ社会の複雑な政治構造――ケネディ暗殺にみるユダヤ資本と政治権力/沖縄の米軍基地問題を民主党はどのように解決するのか――沖縄独立論の現実性/天皇制の出自・系譜をめぐる諸問題――騎馬民族連合国家の制度としての天皇制/大化の改新とヤマト政権の創建――古代史のなかの天皇制は自治を認めた連合国家/「二重性、双分性」理論(カール・ポランニー)と漢民族・中国の一元支配の脆弱性――二一世紀最大の問題は中国の行方

末永和行 「リーマンショック」、「百年に一度」、「大恐慌に匹敵」と形容される昨今の経済情勢をどう認識するか

編集後記

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