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資本主義と農業

  • 工藤 昭彦
  • 価格 2310円
  • 判型:A5判、208ページ、上製
  • ISBN 978-4-8265-0513-0
  • ISBN 4-8265-0513-2
  • 初版発行年月 2009年11月
  • 発売日 2009年11月30日
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内容紹介文

資本主義が自立的な景気循環過程(好況→不況→好況)では解決できない労働力問題と農業問題は、古典的資本主義の世界では、経済恐慌をとおして解決してきたと言える。しかし、1917年にロシア革命が勃発し、反体制運動が世界的に高揚しつつあるなかで、1929年10月、ウォール街に端を発した世界恐慌とその後の戦間期(第1次→第2次世界大戦)の世界経済は、金本位制の崩壊に始まり、国家による政治・経済体制の危機管理機能によってはじめて成り立つ資本主義(=過渡期国家資本主義)へと変貌したと言える。体制危機緩和の経済政策である農業・農民問題を未解決のまま、日本資本主義は、世界恐慌の余波を受けながら、明治維新以降の地主的土地所有制と富国強兵政策による過酷な地租負担によって自作農、自小作農、小作農、貧農層に階層分化しながら、農業問題は複雑な経路を歩むことになる。日本における農業問題の発生メカニズムを明らかにしながら、農民の反体制エネルギーを吸収・溶解する政治・経済的対応の連鎖が特殊日本的ファシズムの形成・発展過程を歴史的に解明する。
補論1.2では戦後の高度経済成長期における農業問題の解明を試みながら、現代日本農業の根本問題を食料自給率の低下問題と世界農業問題としての過剰農産物問題への対応を考察する。

目次

序章 ?分析視角と分析課題
1章 ?農業問題発生の歴史過程/1節 ?農業問題の基盤/2節 ?農業問題の萌芽/3節 ?農業問題の発生
2章 ?農業問題の処理とファシズム体制の形成/1節 ?反体制的急進運動の胎頭/2節 ?農業問題処理の政治過程/3節 ?農業問題処理の経済過程/4節 ?農業問題処理のファシズム的性格と限界
3章 ?農業問題の処理とファシズム体制の成熟/1節 ?総力戦体制の樹立とファシズム体制の成熟/2節 ?農業問題処理の政治過程/3節 ?農業問題処理の経済過程
終章 ?ファシズム的農業問題処理の性格と限界/1節 ?昭和恐慌以降における農業問題処理/2節 ?総力戦体制下における農業問題処理/3節 ?ファシズム的農業問題処理の限界
補論1 ?戦後日本の農業問題/はじめに/? ?農業問題処理の戦前と戦後/? ?高度経済成長と農業問題/? ?成長経済の終焉と農業問題
補論2 ?現代世界の農業問題/はじめに/1.世界農業問題焦点説/2.世界農業問題の現状/3.EC諸国における農産物過剰問題/4.農産物過剰発生のメカニズム/5.小括
補論3 ?世界農業問題/1.はじめに/2.渡邉「世界農業問題」の論旨/3.戦後分析への示唆/4.戦後分析の課題
あとがき

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