TOP SERIES「教育改革」を超えて教育・心理 検証・東京都の「教育改革」

検証・東京都の「教育改革」

  • 柿沼 昌芳, 永野 恒雄
  • 価格 2100円
  • 判型:A5判、224ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0400-3
  • ISBN 4-8265-0400-4
  • 初版発行年月 2004年06月
  • 発売日 2004年06月25日
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内容紹介文

2004年春、都立学校の卒業式・入学式の式場は異様な雰囲気に包まれた。各校の校長は、事前に全教職員に対し、壇上正面の「国旗」と「都旗」に向かって起立し、「国歌」を斉唱せよ、という職務命令を発していた。違反した場合は、処分。違反を摘発するため、全式場に教育委員会の職員700余名が配置され、教職員を監視した。

行政が教育内容に介入する「10・23通達」に始まる都教委の強権的施策は、すでに250余名の大量処分者を出している。東京の「改革」を全国へ、日本型グローバリズムを標榜する都教委を徹底的に批判する。

目次

まえがき

■第1部〈対談〉「非国民」の作られ方
▼斎藤貴男vs.青木茂雄+永野恒雄(司会)
戒厳令下の東京都の教育/二五〇名に及ぶ大量処分/手続き上の問題点/石原体制が狙っているもの/都教委の動きと校長の対応/都教委は一枚岩なのか/職務命令が校長の自己責任となる仕組み/組合はなぜ闘わないのか/板橋高校事件とは/3・11通知の問題点/拡大する授業内容の管理とその背景/処分問題についての取り組みと展望/イラク戦争で見えてきたもの/日本人の「国民性」とは/都教委の誤算/三権分立の形骸化/今後の展望と教育の役割

◎序章 暴走を続ける東京の「教育改革」【柿沼昌芳】
すべての権限を校長に/教師を後景に追いやった『報告書』/PTA会長に知らせて戒告処分/学習指導要領を根拠にしての暴挙/教育委員会が一人ひとりの教員管理へ/「立つ」、「歌う」、「弾く」義務はない

■第2部 東京都教育委員会の「教育改革」の実態

◎第1章 二〇〇四年春、東京の卒業式・入学式【青木茂雄】
ドキュメント、異様な光景が現出した都立学校の卒業式/〈予防訴訟〉と卒業式・入学式における〈不起立〉の闘い/石原・横山教育体制の究極のねらいは何か?/結語―若干の展望

◎第2章  七生(ななお)養護学校事件とその背景【小林和】
七生養護学校の「こころとからだの学習」とは何か/教育と教職員への非難、教材持ち去り、大量処分……攻撃の嵐/介入の異常性、根拠の脆弱さ/ひろがる抵抗・異議申立て

■第3部 私が体験した「東京都教育委員会」

◎第3章 保護者から見た七生養護事件【洪美珍】
障がいを持った子どもの親の悩み/七生養護学校の「こころとからだの学習」内容/土足で踏み込んできた都議、都教委、産経新聞記者たち/子どもたちの学び合いの大切さ/都教委処分のデタラメさ/特別支援教育は子どもたちの差別・選別でしかない

◎第4章 「反戦」ブラウス事件の経過【渡辺厚子】
二〇〇二年四月九日、大泉養護学校入学式で/校長室へ行かないだけで「職務命令違反」/二〇〇二年一一月六日付で「戒告処分」が発令/起立儀式にこだわる都教委/再発防止研修命令/二〇〇三年一月一〇日、東京都人事委員会へ不服申し立て、二〇〇四年四月二一日審理終了/私は立てない。歌えない

◎第5章 「予防訴訟」を提訴して【片山むぎほ+木村葉子+加山みどり】
前夜編/経過編/裏話編/総括編

◎第6章 「君が代」不起立で嘱託採用取り消し【平松辰雄】
「まさかクビになることはあるまい」/私の「声」に大きな反響

◎第7章 予防訴訟と「君が代」の履歴【川口和也】
二〇〇四年三月/「君が代」の誕生/「不老不死思想」と「君が代」/削除された「君が代」の履歴/帝国時代の「日の丸・君が代」

◎終章 石原型「教育改革」の終焉【永野恒雄】
イラク人質事件と自己責任論/小泉首相の憲法感覚/石原都知事の憲法廃棄論/国家・民族というイデオロギー/一九八〇年代以降の反動化とその終焉/小泉首相の誤算/石原都知事のテロ容認発言/第二のテロ容認発言はあるか/石原型「教育改革」のゆくえ

*付録1 アンケート:都教委の「10・23通達」と「国旗・国歌」強制
*付録2 資料篇【青木茂雄+永野恒雄+小林和】

あとがき

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