厠と排泄の民俗学

  • 礫川 全次
  • 価格 3990円
  • 判型:A5判、240ページ、上製
  • ISBN 978-4-8265-0371-6
  • ISBN 4-8265-0371-7
  • 初版発行年月 2003年05月
  • 発売日 2003年05月10日
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内容紹介文

読書趣味と学問道楽と猟奇癖!
糞尿の〈呪力〉と〈汚穢性〉にみる近代日本人の糞尿観とは?
三島由紀夫の『仮面の告白』によれば、主人公の「私」は、五歳の時に道で〈汚穢屋・おわいや〉(糞尿汲取人)に出遭い、「汚穢屋になりたい」という憧れを抱いたという。三島由紀夫の出自の秘密にかかわる汚穢屋に対する過剰な思い入れは、汚穢屋に〈賤民性〉を見出す大正期以降の近代都市住民の誤解や偏見の反映であるとはいえ、糞尿の〈呪力〉に対する日本人固有の情念と憧憬に根差していたといえるのである。

近代日本における糞尿利用の変遷と近代日本人の糞尿観の変化に焦点を当てつつ、糞尿をめぐる日本人の心意を解読し、基層文化の深層に迫る資料集。
宮武外骨「小便考」、田中香涯「糞と尿」、井上一之「日本便所考」他、埋もれた資料や閲覧しにくい26の文献を収録、注釈も付した読みやすい全文新組み版。

『週刊朝日』で高橋源一郎氏、好評!!!

目次

●解説篇
糞尿はいつから〈汚物〉になったのか?近代ニッポン糞尿史序説(礫川全次)
・三島由紀夫の〈汚穢屋〉願望/三島由紀夫の「出自」について/〈汚穢屋〉は賤民にあらず/昭和初年の東京における〈汚穢屋〉の実像/竹内武雄氏の「汲み取り」体験/徳富蘆花の見た「不浄取り」/都市住民の〈汚穢屋〉に対する意識/本資料集の編集方針について

●資料篇
凡例
●「古糞鑑弁之記」大原栗(一八一二) 『下肥』(一九一四)より
●「阿房陀羅経(下肥の注意)」堀之内片田舎生 『新潟県農事報』(一九〇六)より
●「小便考」宮武外骨 『滑稽新聞』(一九〇八)より
●「下肥」中尾節蔵 『修正実用肥料学』(一九〇八)より
●「糞と米とは何れが尊き乎」矢崎亥八 『日本農業雑誌』(一九〇九)より
●「人糞尿又下肥」佐々田源十 『最新実用肥料学』(一九一〇)より
●「日本の糞と西洋の糞」岩村透 『ニコニコ』(一九一一)より
●「支那の厠神」吉田巌 『人類学雑誌』(一九一四)より
●「名古屋市に於ける屎尿市営方法」燕佐久太 『下肥』(一九一四)より
●「人糞尿の話」古市末雄 『軍隊農事講習講演集 ?第二輯』(一九一五)より
●「迷信としての犯罪者の脱糞」寺田精一 『変態心理』(一九一八)より
●「糞便ノ成分」(他)及能謙一 『糞便学』(一八一八)より
●『内務省実験所考案改良便所』内務省衛生局 (一九二七)
●「内務省式改良便所」相澤時正 『便所の設計及改良法』(一九二九)より
●「便所はどうすればよいか」高野六郎 『都市問題』(一九三〇)より
●「岡山地方農家の便所」今村勝彦 『旅と伝説』(一九三三)より
●「アカゴノセツチンマヘリ」(他)中山太郎 『日本民俗学辞典』(一九三三)より
●「糞と尿」(他)田中香涯 『史実の種々相』(一九三六)より
●「日本便所考」井上一之 『近世便所考』(一九三七)より
●「東洋便所風景」田辺泰 『近世便所考』(一九三七)より
●「本邦衛生工業の発達」(抄)須賀藤五郎 『近世便所考』(一九三七)より
●「城口式大正便所」高橋彦次郎 『近世便所考』(一九三七)より
●「汲取便所」(抄)高野六郎 『便所の進化』(一九四一)より
●「犯人の肉体的痕跡」矢崎憲正・中村治郎 『犯罪証拠』(一九四七)より
●「しようべん考」(他)滝川政次郎 『別嬪と美人』(一九五六)より
●「旧十五区市営前の屎尿処分の実態」黒川義雄 ?『東京都における屎尿処理の変遷』(一九六一)より

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