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教育基本法と教育委員会

  • 柿沼 昌芳, 永野 恒雄
  • 価格 1890円
  • 判型:A5判、216ページ、並製
  • ISBN 978-4-8265-0366-2
  • ISBN 4-8265-0366-0
  • 初版発行年月 2003年01月
  • 発売日 2003年01月24日
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内容紹介文

今日、教育基本法の理念と現実の教育との隔絶はあまりに大きい。
子ども達の規範意識の崩壊、学ぶ意欲の低下、地域・家庭の教育力の衰退、凶悪少年犯罪の増加など、無策に等しい教育行政の責任を隠蔽し、あたかも教育基本法に起因するかのように喧伝し、国防思想や愛国心の高揚など〈滅私奉公〉を強制しようとする《国家・教育行政》の動きが目立つ。
戦後一貫して教育基本法を形骸化してきたプロセスの総仕上げとして、臨教審、中教審、教育改革国民会議による教育基本法「改正」が市町村合併による地方自治の形骸化と並行して押し進められている。
現場教師が自らの知識と経験と感性で語る緊急報告!

目次

まえがき

本書の構成 教育基本法の各条文とその論点

第1部 ?教育現場から問う教育基本法の形骸化

序章 教育基本法空洞化の足跡【第一条…教育の目的】
教育基本法はどう見られてきたか/文部省の通達・見解等による空洞化/教育基本法の改正論と諸提案/府県における教育基本法改正の動き/教育基本法にどう向き合ったらいいか

第一章 「個人の尊厳」と日本の教育風土【第二条…教育の方針】
「個人の尊厳」は実現されたか/戦後の公民教育と個人の尊厳/「あらゆる機会に、あらゆる場所において」/タテ社会の風土/イジメの風土

第二章 第一節 北海道における高校統廃合【第三条…教育の機会均等】
学ぶ機会を奪わないで/「校舎が移転したら通えない」/働かざる者、食うべからずか/「就職試験受けさせて下さい」/学習権を侵害するのは誰か/「4Kのない学校はいい」

第二節 福岡での不就学生徒の現状【第三条…教育の機会均等】
福岡市における夜間定時制高校増設運動/受験競争の渦中にまきこまれた定時制単位制高校/定時制・通信制入学者の増加/さらなる定時制のリストラを計画/不就学者にとっては定時制の存続と通信制拡大に意味がある/八〇年前にもあった教育の機会均等のための運動

第三節「教育の機会均等」と学校改革【第三条…教育の機会均等】
「教育の機会均等」をめぐる議論/同和地区生徒に焦点を当てて/「結果の平等」を求めて

第四節 大阪の障害児教育現場から【第四条…義務教育】
障害児教育の現状/「能力に応じた教育」とはどういうことか/「教育の機会均等」とは/「養護学校義務制化」と障害児教育/障害児教育の課題と方向

第三章 埼玉県での男女共学への「抵抗」【第五条…男女共学】
教育基本法と男女共学/別学校の存在/ジェンダー教育/再び別学校問題

第四章 福岡県における高校再編と総合学科【第六条…学校教育】
「子ども」を忘れた『県立高校再編整備基本計画』/「第三の学科」になりえない総合学科/教育基本法体制の終焉を謀る高校再編計画

第五章 第一節 部活動は社会教育で【第七条…社会教育】
部活動の悩み/ある顧問の部活動観/部活動の社会教育「移行論」/今もある社会教育「移行論」/社会教育に移行すれば良いのか/部活動を子どもたちの手に

第二節 家庭の教育力を衰退させた「元凶」【第七条…社会教育】
世界的に低い日本のしつけ/家庭から消えた家事労働/家庭への責任転嫁/父母も取込んだ企業論理/子育てから単身赴任/最高裁が判断した単身赴任/家庭の教育力の回復

第六章 第一節 宗教教育・政治教育の形骸化【第八条…政治教育】
抑制的な条文解釈(条文の二面性)/学校における政治教育の実態/学校における民主主義/学校における宗教教育/権利の主体性/「日の丸・君が代」問題

第二節 宗教を教えることの難しさ【第九条…宗教教育】
剣道の実技を拒否して/なぜ、学校は代替措置を認められないのか/考え方の違いを学ぶ機会に/参観授業に欠席して/「欠席」にしないことも/欠席扱いはやむを得ない/認めたら収拾がつかなくなる/柔軟に対応はできないか/「出席」扱いにするには/「触らぬ神に祟りなし」的心境になるが/多文化社会の中の学校

第2部 ?教育委員会による教育支配

第七章 茨城県の校長会による「不当な支配」【第一〇条…教育行政】
校長会の組織と出張/「公務」を標榜する校長会活動/校長会の会計と親睦活動/教職員人事を支配する校長会/「天下り」校長と「生え抜き」校長

 第八章 東京都教育委員会による教育支配【第一〇条…教育行政】
教育基本法改悪は東京都ですでに進行している/都立高校〈新配置計画〉という名の教育支配/「経営支援委員会」という名の新たな視学制度/教育の支配は教員の支配から始まる/「主幹制」―行政による教育支配のための橋頭堡

第九章 東京で進行する教科書採択への介入【第一〇条…教育行政】
東京の教科書採択/どこでも行われた教育委員採択の検証―東京・日野市の場合/選定資料自体から出てくる矛盾―小学校「国語」教科書採択の検証

第一〇章「指導力不足等教員」認定制度【第一〇条…教育行政】
制度創設までの経緯/分限処分の事例/指導力不足教員の事例/「指導力不足等教員」認定制度の影響/教員の身分保障の重要性

終章 教育委員会の理想と現実
夭折した公選制教育委員会/「日本型教育発想」の呪縛/町村合併と「教育の地方自治」の挫折

あとがき

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